2010年 08月 08日 ( 1 )

8/4(水) 寺子屋レポ

8/4(水)18:00~21:00
『俳優って?を考え続けてゆくための寺子屋』
@下馬地区会館・第一会議室

【進行】
■今の身体状況を言葉にして垂れ流す
■軽く手足を揺すりながら歩きつつ、身体の状況を観察する

■丹田の感覚を掴むための各種アプローチ
・壁を思い切り押してみるのだが、その際に最も力が壁に伝わる姿勢がどんな姿勢の時かを探ってみて、普段の自分の姿勢と何が違うのか検証してみる
・思い切り跳んでみて、足音を立てずに着地してみる
・手押し相撲
・こぼれるぎりぎりまで水を張ったコップをお盆に乗せて運んでみる(使用している部屋の都合上、今回はそういうイメージを持ってやってもらった)
などなど、、、

■セミスパイン

■小道具の質感(重さなど)をマイムで表現する際、嘘臭く感じる時とそうでない時の違いはどこから生まれてくるのかの検証
■同様に、喧嘩などの人同士がぶつかり合うシーンで(殺陣の有無を問わず)、嘘臭く感じる時とそうでない時の違いを検証

◆休憩

■二人一組になって、片方はフラットな状態で立ってもらい、もう片方の人が、どこでもよいのでその立っている人の身体を軽く押してみる。押された人は、その押された力分だけ動き、その流れを止めることなく元の位置に身体を戻す
→押された時のその力の質感は維持しつつ、力の大きさだけを増幅させて動きの幅を大きくしてみる

■二人一組になってリーダーとフォロワーを決め、向き合った状態でお互いの手を合わせ(鏡の状態になるので、合わせる手はリーダーが右手であればフォロワーは左手になる)、リーダーが思うままに合わせている手を動かすので、フォロワーはその動きについてゆく
※但し、当然ながらリーダーの動き以上にはフォロワーは動かさない。このエクササイズで重要なのは、リーダー自身が今の動きは自分の動こうという意思分の動きをしているのか、について常に自覚的でなければならない


【レポート】
今回は、前半で丹田の感覚についてを色々なアプローチで探ってみることを行い、後半に「段取りや設定、己の役や作品の都合にとらわれるあまり、どれだけ自らの感覚に蓋をしているのか」ということを検証から入り、最終的には簡単なエクササイズを用いながら実際に身体でも体験してもらおう、という意図の元で進行していった。

舞台俳優の場合、本番において各シーンの一つひとつの動きなどの精度を上げてゆくためにも稽古を重ねてゆかねばならないので、当然同じシーンの稽古も繰り返し行ってゆくことになる。
そのため、そのシーンがこの後どう転がってゆくのかが身体でも分かってきてしまうため、何も考えずただ闇雲に稽古に取り組んでいってしまえば、知らず知らずのうちに身体の方が先読みの動きになってきてしまうことになる。

その「先読み」も、物語の流れが理解できているがための先読みと、それとはまた別に、相手役の芝居の傾向のようなものを予測できるようになってくるために生じる先読みの2種類があるのだと自分は思っている。
前者は、大抵の場合一人だけで芝居をやっていることが外から見ていれば一目瞭然なため、演出も指摘し易く、また当人としても相手役とのやり取りに違和を感じるだろうから自覚することは比較的容易なのではないかと思う。
一方、後者は下手をすると相手役とのやり取りが物凄く円滑に進んでいるように感じてしまうし見えてもしまうので、むしろ「呼吸が合ってきた」んじゃないかとすら思えてきてしまう危険があるように感じる。
が、実はそれも「自分の中にいる相手役」と芝居をしてしまっているだけで、実際の目の前にいる相手役とやり取りをしている訳ではないので、本当の意味での「呼吸が合う」ということとは全く以て違う。
おそらくは、こういう状態の時は、相手役が予想外の行動をしてしまった時に一気にそのメッキが剥がれてしまうだろうし、また、自分の中での「こうくるだろう」に相手役の行動を当てはめてやり取りをしてしまっているため、稽古を返す度に生じているはずの細かい変化にも全く気付くことができないのではないか、と思う。

それでは、舞台表現の醍醐味である「“今、ここ”に在る身体のドキュメンタリー性」は著しく削がれてしまうのではないかと思う。


前置きが長くなってしまったが、今回の寺子屋での最後に行った2つのエクササイズは、その「自分の中にいる相手役への先読み」を自覚してもらうのに非常に有効なエクササイズであると考えている。
ルールがシンプルなだけに、相手がどうくるのかが理解し易く、また、これはやってみれば分かるが、「こうくるだろうな」という予測がダイレクトに身体に反映されてしまうため、相手に動きを任せているはずだったのに気付けば自分の方が動きが先行していた、、、ということも案外多かったりする。

今回のこのエクササイズで体験したことは、結構芝居の本質的なところに繋がってくる要素だと思うので、どうか大切に持ち帰って、今後の自らの活動に生かして頂きたいと思う。
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by syohousen | 2010-08-08 12:51 | レポート(主催) | Comments(0)