生きていると、いろんな当たり前のことを忘れてしまう。
自分の身体の重さというのも、その忘れてしまいがちなもののひとつだ。
重力があるからこそ、立つこともできるし歩くことも跳ぶこともできる。
もし重力がなかったらそれらの運動自体が生まれることはなかっただろう。
重力が、天に向かう想いを育て、立ち上がる意思と力を与えてくれた。
「受難が情熱を育む」とは、まさしくその通りだと思う。
そして、より高く跳ぼうとするならば、より深く踏み込むことが必要である。
それはつまり、一度重力に身を委ねるということでもある。
ガチガチに力を入れたまま踏み込んでも、下半身に十分なタメを作れないからだ。
もし自分が今、困難な状況にあると感じたならば、
それは新たなエネルギーを産み出すチャンスなのではないか。
重力を忘れずにいられる感性と、より深く踏み込めるだけの勇気。
いずれも己の傍らに置き続けていられるようにしていたい。