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5/15(木)『光と光の中』 稽古8日目

5/15(木)18:00~21:30 天候:晴れ

【本日のメニュー】
●ローテーションゲーム
①フラットな状態でお互いに向き合って
②位置をずらしてみて
③お互いで気持ちのよい距離を探る
④役としての距離感を探ってみる

【本日のレポート】
最近、アップというよりもWSに近くなってきてしまっているので、今一度己のやり方を見直してみた。
「身体的な準備」+「今、この座組に必要な要素への気付き」の手伝いというのが当初定めた自分のスタンスであったはずだ。にも関わらず、最近の自分のやり方はまるでショーケースに陳列された商品のように次から次へと様々なメニューを行い続けていたように思う。
別に自分の仕事はWSメニューの紹介をする事ではないのに、これでは一体何をしているのか分かったものではない。

その反省もあり、本日は現在この座組に必要だと思われる要素と向き合うためのメニューに時間をかけて取り組む、という形式に変えてみた。
具体的に説明するならば、『ローテーションゲーム』という2人1組に分かれて1~3の数字を交互に数え合うだけのゲームを段階的に4つのパターンに分けて行い、己と他者の向き合い方や役との向き合い方のヒントにして頂けるような構成にしたのだ。

もちろん情報としての設定や共演者との共有項が多いに越した事はないし、必要不可欠なものではある。が、それらが単なる情報止まりになってしまったならば、それは「踏まえているだけのもの」で終わってしまう。
今日行ったメニューは、言葉にならない部分での共演者との共有項を探ってみるために非常に有効な手段であり、それまでに積み上げてきた情報としての設定などを立体へと起こしてゆく作業をかなりスムーズにしてくれるものだ。

台詞だけを頼りに役を考えてしまう事は、大概の場合において台本の説明に終わってしまう「二次元の役」を生み、またそれは稽古場を「段取り決めだけが目的という、およそクリエイティブとは縁遠い場所」へと変質させてしまう危険を孕んでいる。
「役としての身体や役同士の関係性がまずあって、台詞はその上に乗っかっているだけのもの」という発想であれば、毎回の稽古が新鮮なものとなり、それでこそLIVE(生)である事の醍醐味を演者も観客も味わえるのではないだろうか。そしてそういった発想で作品と向き合える場所こそが、自分はクリエイティブな創作現場なのではないかと考えている。
台詞は「目的」ではなくて、あくまでも「手段」であり「結果」なのだから。

是非、今日の経験を今後も利用して頂きたく思う。
by syohousen | 2008-05-15 23:03 | レポート(スタッフ参加企画)
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