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A・Iメンフィス入りに思う

先日、NBA選手のアレン・アイバーソンが
メンフィス・グリズリーズ入りを果たした。

彼は、183cmという身長でありながらも
新人王、シーズンMVP、オールスターMVP、得点王4回を獲得し、
将来は殿堂入りも確実だと見られている選手で、
決して恵まれているとは言えないその体格を考えれば
信じ難いほどの成績を残してきたまさにスーパースターである。

圧倒的なそのスピードは、全盛期には
あのマイケル・ジョーダンが全く反応できなかった時もあったほどだ。


しかし、昨シーズン開幕直後にトレードによってピストンズへ移籍してからというもの、
アイバーソンのやたらとボールを持ちたがるプレイスタイルと
全体の調和を重んじるピストンズのスタイルとが全く噛み合わずに
平均得点、出場時間共にキャリア最低の成績となってしまった。

また、ベンチスタートになった試合の後、
公の場で「スターターでないなら引退した方がマシだ」などと
発言したことも大きくクローズアップされてしまい、
多くの人間から「自分勝手な元スター」というレッテルを貼られてしまった。

結果、昨シーズン終了後に完全FAとなって
どこのチームとでも契約できるようになったにも関わらず、
そのプレイスタイルや問題の多い言動を懸念してか
なかなか表立って獲得へ手を挙げてくれるチームが現れずに
こうしてシーズン開幕2ヶ月前になるまでチームが決まらずにきてしまった訳だ。


冷静に考えてみれば、彼の現状は彼自身が生み出したものであり、
完全に自業自得だといえるかもしれない。

現に、「彼はそのスタイルを改めない限り生き残れない」という
意見が大勢を占めており、「既に彼の時代は終わった」とさえ言われている。


が、自分は、誰になんと言われようがアイバーソンには
今後もセルフィッシュ(自分勝手)なプレイヤーであって欲しいと思っている。

「かつてのやり方が通じなくなったらそのスタイルを変えればいい」というのは
あくまでも一つの選択肢であって、本人がそれを望んでいない以上は
どんなに無様な姿を晒そうともこれまでのやり方を貫いて欲しいのだ。


非凡な能力を持った人間の考えを、凡人の感性でとやかく言うことはできないと思う。


彼は、NBAという生き残りの難しい過酷な世界の中にあって、
自身のエゴを全面に押し出すことによってトッププレイヤーにまで上り詰めてきた。

そんな人間に自己犠牲の精神を求めるのは、
それは飛べなくなった野生の鳥に対して
「飛べないなら地上で生きられるようにしろ」と言うのと同じである。

弱肉強食の世界において
飛ぶことで生き残ってきた生物が飛べなくなるということは、
いずれは他の肉食獣に食べられてしまうことを意味する。

しかし、鳥にはその生き方しかできない動物である以上、
その生き方と心中するしかないのである。


アイバーソンも同様で、
NBAという世界で「セルフィッシュ」な生き方しかできないプレイヤーである以上、
その「セルフィッシュ」な生き方と心中するしかないのだと思う。


ただし、デニス・ロドマン(元ブルズの超問題児。三連覇に貢献)の例もある訳で、
例え問題児であってもそのチーム内において自身の「エゴ」の活かし方を
見出すことができれば、かつての輝きを取り戻すことだって不可能ではないはず。


今シーズンが終わった時、自身のニックネームである
『THE ANSWER』が示す通りの結果を出して欲しいなと、心の底から願う。
by syohousen | 2009-09-12 11:46 | つれづれと
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