言葉というものは本当に面白いもので、
言葉によって自分の身体が認知できる感覚まで変わってくる。 そのことを証明する分かり易い例として 「肩が凝る」と「背中が痛む」という言葉がある。 「肩が凝る」という言葉、どうやらこの言葉は日本人特有の表現で、 外国の方に「肩が凝った」と言ったとしても、なかなかピンとこないらしい。 この「肩が凝る」という言葉に対してピンとこないということは、 必然的に、「肩が凝る」感覚についてもピンとこないということであるとも考えられる訳で、 それはつまり、外国の方は「肩が凝る」ことは起こり得ないということになる。 まあ、それに近い状態にはなることはあるのだろうが、 その認知の仕方が日本人とは違うため、外国の方は「肩凝り」にはならないのだ。 一方、英語には「背中が痛む」という言葉がある。 この言葉は、日本語で言うところの 「肩が凝る」と限りなく近い意味を持つものである。 しかし、日本人にとっては「背中が痛い」という言葉は、 どちらかといえば「背中に故障を抱えてしまった」という意味に取られることがほとんどだ。 日本人同士で「肩が凝った」と言えば「お疲れ様」と言ってもらえるだろうが、 「背中が痛い」と言えば「大丈夫?」とか「病院行ったら?」と言われてしまうだろう。 しかし逆に外国の方へ「背中が痛い」と言えば「よく頑張ったな」と言われるだろうし、 「肩が凝った」と言っても「?」という反応が返ってくるだけかもしれない。 言葉が増えれば物事に対する認知の仕方が変わる。 それはつまり、意識が変わるということである。 そして、意識が変われば身体も変わる。 言葉、意識、身体、、、 考えれば考えるほど、面白くなってくる。 たぶん、飽きることはないような気がする。
by syohousen
| 2009-08-19 09:04
| 俳優訓練について
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