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たまにはアナログというのも

自分は、古本屋巡りが好きで、古本屋を見掛けるとついついふらっと入ってしまう。

その理由は、「思いもかけない本と出会える」ためである。

仮にこれがネットで購入するとすれば、自分が欲っしている書籍だけを
選び出して取り寄せることになってしまうため、「予想外の出会い」のチャンスが
ゼロだとまでは言わないが、極端に減ってしまうのは明白だ。

そのため、自分は多少の手間がかかっても、
時間に余裕のある時には極力本屋へ直接足を運ぶようにしているのだ。


考えてみれば、最近は効率化の影響なのか、
このような「予想外の出会い」というものの機会が減ってきているような気がする。

その一番の例が、音楽である。

現在はipodなどに自分の好きな曲だけを
ネットから落としたりして録音し、好きな曲だけを聞く機会が多い。

が、以前のようにCDなどの媒体を用いて好きな曲を聞こうとすると、
特にアルバムなどは、元々の目的としていた曲以外の曲も一緒に入っていた。

そして、これが身銭を切って購入したものであったならば、
「購入したからには全曲聞こう」という貧乏性も働いてか
本来聞きたかった曲以外の曲も聞こうとするため「お、この曲いいじゃん」という、
自分でも思いもしなかった曲との出会いが生まれたものである。

おそらくこういう経験を持つ人は
自分以外にも多いのではないかと思うのだが如何だろうか。


たしかに効率化が進むことは、
生活が便利になって時間を有効に使える訳なのだから、
悪いことばかりではないだろう。

が、頂上以外には目もくれずに最短距離で山登りをすることだけが
山登りの全てではないように、一見無駄だと思われるようなものの中にこそ
人生の楽しさが隠されているような気がする。


効率的に、全てを自分の見える範囲内、予想の範疇に納めたとしても、
自分の世界はなかなか拡がってゆかないのではないかと思う。

山登りの途中で弁当食ってもいい訳だし、道端の花や景色を眺めているうちに
日が暮れて結局頂上まで辿り着かなかった、、、などという時があっても、
別にそれはそれで山登りを楽しめていることには変わりはないはず。

むしろそういうことの中にこそ、「予想外の楽しみ方との出会い」があるものである。


とはいえ、何もかも「効率化はよくないから非効率的に生きろ」とか
「デジタルに走らずアナログであれ」とかいうことは言うつもりはないし、
それこそナンセンスな話だ。

ただ、たまにはアナログに生きてみるのもいいなと、
遠回りしてみるのも悪くないなと、そういう余裕を持った精神でいられることは、
自らの人生を豊かにするためには大切なことだと思う。


効率的を目指すあまり、無自覚に「食わず嫌い」になってしまっていることほど
もったいないものはないものである。
by syohousen | 2009-06-01 11:10 | つれづれと
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