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処方箋WS #3レポート(2日目)

2007年11月24日(土) 『声と身体の処方箋WS #3』2日目 @みらい館大明

【メニュー】

●単語拾い
●ワンフレーズコミュニケーション(台詞→設定)
●ワンフレーズコミュニケーション(設定→台詞)
●単音コミュニケーション
●テキスト読み(フラット→全力→フラット)
●テキスト読み(設定ずらし)

本日のテーマは『言葉という道具』。

言葉というものは、コミュニケーションの中の数ある要素のうちの一つでしかありません。
従って、言葉との適切な距離感というものを捉えておかなければ、言葉の意味だけで他者とコミュニケーションをとろうとしてしまうため、感情の部分での行き違いの原因にも繋がりかねません。

会話においては、言葉を使う人間の状態こそが最も重要な要素であると言えるのです。
今日のWSでは、それを身体で実感して頂けるようなメニューを用意しました。

敢えて使用できる言葉に縛りを設け、その上でどう他者とコミュニケーションをとってゆくのか…実際にやってみると、普段いかに不用意に言葉を使っているのかがよく分かります。
それによって「道具としての言葉」というものは徐々に実感されてゆくであろうと思います。

何事も、自覚する事から始まります。ですので、本日のWSにて自分の思うようにいかなかったとしても全く気に病む事はありません。
「自分は言葉にとらわれている」という事実をいかに受け止め、その事実をどう生かすのか、それが大切な事です。
WSの時にうまくいったのかいかなかったのかなんてものはさして重要な事ではなく、このWSで何を持ち帰れたのか…それこそが最も重要な事なのです。

言葉を発する事が目的なのではなく、目的を果たすために言葉があるのです。
そこのところを今日のWSで実感して頂けたなら幸いです。
# by syohousen | 2007-11-26 19:36 | レポート(主催)

処方箋WS #3レポート(初日)

2007年11月23日(金) 『声と身体の処方箋WS #3』初日 @みらい館大明

【メニュー】

●大嘘自己紹介×3→分析
●あっち向いてホイ(ノーマル→緩急→声なし→声なし+緩急)
●距離感
●登場・退場
●恥ずかしい言葉一つ
●立ち座り

本日のテーマは「非言語という言葉」。

人間の他者との関わりの中において、言葉以外の要素にどれだけ情報が詰まっているのか…。
自分では自覚していなくとも、例えば言葉の選び方、話の構成の仕方、話すときの仕草・目線・姿勢、他者への距離の取り方…など、言葉を発する際には言葉の意味以外にも膨大な情報が詰まっております。むしろ、そちらの印象の方が会話の際言葉そのものの意味より重要だったりする事が多々あります。
役者の場合、台本を手がかりに役を探ってゆくものでありますが、言葉の意味だけを取り出して読み込んだところでそういった身体的な情報は書かれてはおりません。

そこで、本日のWSでは敢えて言葉を取り払い、その上でお芝居を構成する本質的な要素だけを取り出し、実感して頂けるような内容のメニューを中心に組みました。
お芝居、特に生ものである舞台における台詞というものは、役者の肉体・役者同士の関係性・舞台上の空気感・役者の出入りによる変化…といった様々な要素の上に乗っけるだけでよい存在であるのではないかというのが自分の持論でありまして、逆に言えば、もしその状況で台詞がなくても全く支障のないくらいの状態になってようやく言葉を発する事ができるのではないのかなと思うのです。

しかし、他者が書いた言葉だからなのでしょうか、簡単というか不用意に台詞を発する事ができてしまう役者が非常に多いように感じます。
大体、「愛してるぜ」とかそういった類の台詞を日常で恥ずかしげもなく吐ける人がどのくらいいるのでしょうか?少なくとも自分は目茶苦茶恥ずかしくてとてもじゃないですが言えません。言った日には顔が真っ赤になってどこかへ消えたくなってしまいます。

が、それなのに台詞になると何故そんな恥ずかしい言葉を平然と発する事ができるのでしょうか?
また、そんな恥ずかしい言葉を何の疑問もなしに発する役者にはたして感動があるのでしょうか?

自分は、そんな人を役者とは呼びたくありません。そんなのはただの戯曲読み上げ係です。

本日のWSを見る限り、様々な事、特に言葉に対しいい意味で“臆病”な役者さんは素敵だなと再確認できました。臆病な方が、その分恐怖を乗り越える時のエネルギーが強いですから。
# by syohousen | 2007-11-24 01:37 | レポート(主催)

処方箋WS #2レポート(最終日)

2007年8月12日(日) 『声と身体の処方箋WS』最終日 @みらい館大明

【メニュー】

●拍手回し
●握り回し
●同調歩き(1人→5人→1人)
●全員でカウント(30まで)
●個別診断
※個別診断の診断結果及び処方箋を、後日メールにてお送り致しました。

本日は「声と身体の処方箋」、つまり個別診断中心の内容でした。

自らを知るという事は何事においても重要な事です。
同時に、自分がどこに向かいたいのかという目的意識も重要です。

現在の自分の立ち位置と、これから向かうべき目的地を明確にする事。
それによって進むべき道筋や手段が搾られてくるのです。
もちろん、目的にこだわって意固地になってしまったり、とらわれて周りが見えなくなってしまう事は避けなければなりません。そこで、それを防ぐのが自分の現状を知るという事です。
つまり、現状把握と目的意識は相互補完しあう関係である訳です。

実はその最も大切な2つを見付けて頂く事が、この個別診断の一番の目的だったりします。自分は、そのためのお手伝いをする存在なのです。

参加頂いた皆様方の「気付き」に僅かばかりでも役立てたなら幸いです。
# by syohousen | 2007-08-25 22:03 | レポート(主催)

処方箋WS #2レポート(2日目)

2007年8月10日(金) 『声と身体の処方箋WS』2日目 @岩戸地域センター

【メニュー】

●二人組ストレッチ
●いざない
●あっち向いてホイ(ノーマル→緩急→声なし→声なし+緩急)
●距離感
●同調歩き(1人→5人→1人)
●全員でカウント(30まで)
●目つぶりダンス
●立ち座り
●同調ダンス

今回のテーマは「自己と他者」

言語以外の手段を用いていかに他者とコミュニケーションをとるか。そういった主旨のメニュー中心で構成しました。
特に“呼吸”と“皮膚感覚”に重点を置いており、「他者に触れる」という事がいかにすごい事なのかを実感してもらう事が狙いです。
普段他者との関係性に無頓着であったりすると、いざ人前に立った時にその舞台上という非日常性に甘えてしまい、「他者に触れる」事や「相手の目を見つめる」という行為に対して鈍感になってしまいます。

他者との距離感のない芝居だったり、
触れられても身体に何の変化もなかったり、
目は合っているのに何も見えていなかったり…

お芝居において、台詞はひとつの要素でしかありません。 他にも「距離感」「目線」「身体の変化」など、舞台を構成している要素は沢山あります。それらが複雑に絡み合う事でひとつの空間が生まれ、物語が紡ぎ出されてゆく訳です。
言語を用いない形でのコミュニケーションを通じて、舞台における言語以外の部分での可能性や楽しさを発見してもらいつつ、同時にお芝居での台詞の位置付けにまで気付いて頂けたなら、大成功であったと言えるでしょう。
# by syohousen | 2007-08-25 21:31 | レポート(主催)

「見る」ということ「聞く」ということ

皆さんは「椅子」を見た際、どう見ているでしょうか?
おそらく自分は「椅子=座るもの」という前提のもと、その物体を見てしまう事でしょう。

しかし、初めてその「椅子と呼ばれている物体」を見た人にはその椅子はどう見えるでしょうか?

初めてという事は、前提がありません。前提がないという事は、その物体そのものを見ていると言えます。よく子供が、普段日常的に使っている道具などを思いもしないような使い方で遊んでいる事がありますが、それはきっと、「前提」というものがないからなのでしょう。

これは音についても同じ事です。
にわとりの鳴き声一つとっても、国によりかなりの違いがありますよね。それが当然な事なのであって、音そのものを聞こうとすれば、いかようにも聞く事はできる訳です。


ただ「見る」
ただ「聞く」


実は、それが一番難しい事なのかもしれません。


「σ」という文字があります。
ギリシャ文字で「シグマ」と読むのですが、この文字の事を知らない人間にとっては丸にちょろっと尻尾がついている変な絵に見えるかもしれません。

まあ、そういう事ですね。
# by syohousen | 2007-08-25 20:23 | 俳優訓練について