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芸術家のくすり箱 第2回ヘルスケアセミナー

2007年3月10日(土) 芸術家のくすり箱 第2回ヘルスケアセミナー @芸能花伝舎

昨年も参加しまして非常に感銘を受けたこのセミナー。
「演劇トレーナー」確立を目指す自分にとってはなんとしても盛り上がってほしい取り組みであると思っております。


11:00~ 健康診断

昨年は高校卒業以来の健康診断だったのですが、こうして年に1回、定期的に受けられる環境ができますと本当に心強いです。
若い時分、特にアーティストというのは金銭的にも厳しいものがあるためにこういった健康に対しての意識がおろそかになりがちですが、不調をきたしてから慌てて診断し手遅れ…といった悪循環は本人にとっても、また大きな流れで見ても芸術界にとっての損失に繋がる訳ですし、そういった最悪の事態だけは絶対に避けなければならないと思います。また、自らの健康状態を把握していれば心配事がひとつ減るので自分の活動に集中でき、より高い成果が期待できるのではないでしょうか?

近い将来、芸術界においてこのような取り組みが当たり前になる事を強く望んでおります。
そのためにも及ばずながら自分もがんばらねばなりませんね。


12:30~ フェルデンクライス・メソッド(WS)

たぶんあまり聞き慣れないメソッドだと思います。自分も初耳でした。1時間ちょっとの中での理解レベルですので、もしかすると語弊が生じる事を承知の上で、自分なりの解釈としては、

「日頃当たり前のように行なっている習慣的動作を意識化させ、その際生じる不必要な緊張を解き、よりクオリティの高い動きを身に付ける」

という風に受け取りました。
アレクサンダー・テクニックが「静」の中にある余分な緊張を取り除く訓練だとすれば、フェルデンクライスは「動」の中で生じる緊張を取り除く訓練法なのではないかと思います。
といってもピンとこないと思いますので、具体的な例を挙げて説明しますと、右を見てから左に振り向く際にその中間部分、つまり点(右)と点(左)を結ぶ線(首の旋回)の部分を意識化しようという事です。人は大抵の場合にこの「点」は意識するのですが、「線」の部分は流れに任せてしまってどうしても注意が抜けてしまいがちです。人の癖というものはこの注意が切れている瞬間に生じ易いので、そこを見直そうというのがこの訓練の主旨なのではないかと思います。

ただ、個人的な解釈とはいえあんまり無責任な事を言うと誤解を招いてしまうので、こういうものも貼っておきます
http://www.feldenkrais.jp/what.html


14:00~ ヴォイストレーニング(WS)

お待ちかねというかなんというか、やはり自分にとってはこのWSが一番興味がある訳でございます。
発声にも色々な指導法がある訳ですが、本日講師をなさって下さった池内さんは、自分の師匠である鈴木先生とはまた違った指導のスタイルなので非常に新鮮でした。自分のやっている発声では、いかに癖を取り除いてその人間の原始的な声に出会ってもらえるかを重視しておりますが、池内さんの場合は声を発する事の素晴らしさを実感してもらう事に重点を置いており、身体の奥底から湧き上がってくる「声を発したい!」という衝動を生み出す事に長けている方だなと感じました。

もうとにかく考えさせない。考える暇を与えない。池内さん自身が率先してアグレッシブに動きまくっているので、受講者側もそれに引っ張られていつの間にか声を出す事に熱中しているんです。指導者として学ぶべきものが非常に多い方なので、自分も盗めるものはどんどんと盗んでゆこうかと思います。


15:30~ 身体の仕組み(講座)

とても面白く拝聴させて頂きました。
骨と間接と筋肉の構造からみた効率的な訓練の紹介、そして怪我の要因の説明まで充実の1時間15分でした。その中でも特に印象に残っていたのが、怪我を引き起こす身体的要因というものが、ダンサーに要求される条件とかなりの割合で一致しているという事です。
つまり、ダンサーはアスリートよりも怪我をする危険性が高い業種であると言える訳です。
もちろんこれは可能性の話なので一概には言い切れない事なのですが、こういった見地からもやはりアーティストの社会的保証というものはいち早く確立されなければならない事だと思います。


17:00~ ボールを使ったセルフ・コンディショニング(WS)

ボールというものを甘く見ていました…。やる前は「要はバランスだろ?コツさえ掴めば簡単じゃね?」と思っていたけれど、ところがどっこい目茶苦茶難しかったです…それどころか相当な筋力も要る事が分かりました。もちろんバランス感覚も必要なのですが、身体の筋力バランスの崩れがもろに影響しており、自分はかなり苦戦続きでした。
この日は大小2種類のボールを用いたのですが、自分はこの小さい方のボールを使用するのは初めて。足の指でボールを掴んでみたり、片足でボールを踏みながらスクワットをしてみたりして、「こんな使い方があるのか!しかも手軽!」と感銘を受けつつ楽しませて頂きました。
今後も取り組んでみたいエクササイズでしたね。


18:30~ 「芸術家にとっての笑いと健康」(講演)

三遊亭楽春師匠による講演。
やはり話芸に携わる方の話は聞いていて飽きがきません。

笑いというものは健康にとって素晴らしい効能があるという事はよく謳われている事ですが、表現者としてこれは一度突き詰めて考えてみたい事柄であります。また、指導者としてもこの要素は持っていた方が相手がリラックスできたりと色々有効ですから、学んでみる価値は大有りですね。

その後、実際に落語「青菜」も披露して下さり、心地よい笑いの効能というものを肌で味あわせて頂きました。


19:40~ 交流会

交流会前の福井さんの挨拶時に、この『芸術家のくすり箱』がNPOとして認められた旨のご報告を頂き、自分の事のように嬉しかったです。今回自分は受講者側での参加でしたが、今後ともサポーターとして今まで以上に尽力させて頂きたいなと決意を新たに致しました。

交流会では、楽春師匠に「下ネタのところで一番笑ってたね。いや、いい反応だったよ」と言われ、顔を覚えて頂いた事への喜びやらその覚えた原因に対しての照れやらで複雑な心境でした(笑)

それと、全く表現とは関係のない会社勤めの方もこの交流会に参加していてお話したのですが、将来的にはこういった方にも普通に興味を持ってもらえる、風通しのよい世界に芸術界がなれたらいいなと感じました。
そう、こういった形での社会へのアプローチもあるんですよね。
ここから芸術に興味を持って頂くのも絶対にアリだと思います。

もちろん作品創造が第一にあるのですが、そのアプローチの方法が「芸術は価値のある事なんだ」と、その良さばかりを主張し押し付けるのではなく、社会に不足している部分に対して「実は世の中にはこんなよいものがあったりするんですよ」とこちらからさりげなく歩み寄り、社会との接点を見出す事の方が大事なんだろうなと。
そうした上でそれに本当の価値があれば自然と人は集まってくるのではないでしょうか。
自分もそういった流れを地道にでいいから作り出してゆけたらよいなと思います。

非常に充実した1日をどうもありがとうございました!
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by syohousen | 2007-03-12 14:47 | レポート(外部受講)