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5/19(月)『光と光の中』 稽古10日目

5/19(月)18:00~21:30 天候:曇りのち雨

【本日のメニュー】
●空間に馴染む
①好きと嫌い(五感で)
②自らの気持ちのよい場所探し
③他者と関わってみる(言葉抜き)
④役としての気持ちのよい場所探り
⑤役として空間を感じる
⑥他の役とのコンタクトをとってみる(言葉抜き)
●フィードバック

【本日のレポート】
本日は、「役として、ただ存在する事」をテーマにメニューを組んでみた。
何かを行うという事よりも、その空間に、状態だけを作り、ただ存在するという事を味わってもらう、、、とにかくその一点のみに集中した。

役について色々と考えていると、どうしても台本に書かれているものにとらわれ縛られてしまいがちなのだが、こういうアプローチの方法もあるのだという事を実感してほしかった。
こういった作業は稽古場でしか行えないし、ただ台本に書かれた台詞をやりとりするだけの稽古よりも遥かに沢山の発見があるはずだ。
今日のアップの最後に行なったフィードバックがこれまでで最も盛り上がった事にも、各々の役者さんの中での充実ぶりをよく表しているように見受けられる。

きっと、役者間での役についての話し合いと平行してこの作業を行なう事で、役というものを立体的に考える事ができるのではないかと思う。
また、ここでの発見を一つひとつ消化し、台本稽古の際に利用してみる事で、これまでとはまた違った感覚で台本稽古に取り組めるはずだ。

おそらく、以上の作業の繰り返しによって各々の役、それぞれの関係性、そして作品が深まってゆくのだと思う。


また、本日のメニューのもうひとつの狙いとして、「日頃無意識に行なっている集団内での自分の位置取り」というものを意識的に芝居に盛り込めないかを探ってみよう、という点もあった。

人というものは、日常でも何故そこに陣取ったのか説明できないけれども、なぜかその空間に来るといつもそこに陣取ってしまう場所、というものが少なからず存在するはずだ。
特に積極的な理由もなく、ただなんとなくそこにいつも陣取ってしまうポジション、、、
芝居において、こういった「なんとなく」で行なった行為というものはとても馬鹿にできないもので、自分の役にそういったものを盛り込めるか込めないかによってその役の深みは全く変わってきてしまう。

今日のメニューは、そういった要素を探る際にも必ずや役に立つはずだ。
是非今後も試して頂きたい。


、、、と、ここまでは収穫ポイントを書き綴ってみたが、逆に反省点も多かった。

最近は座組のニーズに応えるために様々なメニューをアレンジしてみたり、時には全く新しいメニューを考え出して行なう機会が増えてきたのだが、やはり不慣れなメニューを行なう際にはどうしても自分の考えた意図を追う事にとらわれがちになってしまう。
要するに、余裕がなくなってしまうのだ。

今日も役者さんの都合を置き去りにしてしまうような瞬間がいくつかあった。
また、気を遣いすぎてしまう事で余計な事を考えさせてしまう結果も生んでしまった。

今の自分のやりかたは、非常に大雑把になってきているように感じる。
今一度、自分が指導者として活動をする際に優先すべき事というのがなんなのかを見つめ直そうかと思う。
by syohousen | 2008-05-20 00:29 | レポート(スタッフ参加企画)
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