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【第4回】定期診断レポ

3/10(月)13:00~21:00 【第4回】声と身体の定期診断 @岩戸地域センター

今回の診断、本番直前の方と現在稽古で行き詰まりを感じている方が1名ずつ参加下さっておりました。
そのためなのか、それともこの日の受診者の突き当たっている壁の傾向が全体的にたまたま似通っていたためなのか、はたまた自分自身の関心がそこにあったためなのか、「“嘘”と“芝居”の違い」がこの日のテーマになっていたように感じました。

今回の参加者のとある方へお送りしました処方箋メールの中でも伝えたのですが、「お芝居」という行為自体元々「嘘」をつくという行為であり(しかも大勢の前で堂々と)、本来とても恥ずかしい行為であるはずなのです。
が、そこのところを忘れ、何の疑問も持たず平気で他者の書いた台詞をただつらつらと声に乗せる事ができる役者さんが世の中には少なからず見受けられるように感じます。
自分にとって、それはとてつもなくお客さんに対して失礼な行為ではないかと思うのです。

ですので、「一つひとつの台詞や動作に対して疑問を持つ事のできる臆病な心」というものを持っている役者さんが自分は大好きですし、素敵な役者さんだと思っております。
そして、その自らの臆病さを受け入れた上で、乗り越えようとするところにこそ感動というものは生まれるのだとも思います。

「嘘をつく」という前提をしっかり踏まえた上で、如何にそこへ「本物」を込められるのか…それを探してゆく事がお芝居なのではないかなと、自分は考えております。


話は変わりますが、当診断も4回目を迎えて目に見えて進歩している方がちらほらと出て参りました。
自分としてもこれは本当に喜ばしい事です。

これは、参加者一人ひとりの中に「自分が変われるんだ」という事を信じられるようになってきたのが非常に大きいです。
成長は、「変わろうとする心」という燃料と「どう変わりたいのか」という操縦桿の2つが重要です。しかし仮にその2つが揃っていたとしても、「変われると信じる事の出来る心」という推進力がなければ決して前に進む事はできません。

参加者の皆さんはとても前向きに取り組んで下さっているので、その姿勢が非常によい方向に表れているのだと思います。

進歩は、自らの足でしか歩む事ができません。
自分の行なっている事は、その後押しをしているだけで、進歩自体は当人の力によるものなのだという自信を参加者の方々には是非持ってほしく思います。
by syohousen | 2008-03-12 22:43 | レポート(主催)
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