「あるあるネタ」好きな発想の傾向について思うこと、

最近、若い俳優志望の方を対象にWSを行なうことが多くなっていて、そこで強く感じることがあります。

それは、「あるあるネタが好きだなぁ」ということ。

あるあるネタというものは、その行為の面白ポイントもわかり易く、周囲からの共感も得易い非常に便利なものです。
が、その反面、如何に周囲から共感を得られるかどうかばかりに気が行ってしまって、それが達成されるならば自らの実感やそこから生まれる衝動に蓋をしてしまっても平気になってしまう危うさを孕んでいる発想でもあります。
それはつまり、目の前の人と関わることをやめ「こうしたらいい反応がくるはず」という「ウケねらい」の発想に陥ってしまう危険性が高い、ということでもあり、それを俳優として芝居の中で使いこなすためにはそれなりの技術を要する行為であると言えます。


なので、若い俳優志望の方へ自分が強く強く伝えたいのは、目の前の状況や、目の前の人と対峙した際に生まれたものと真摯に向き合うことを大事にして欲しい、という点です。

お芝居というものはそこから始まります。
「いま、ここ」の中にこそ、劇的なものは存在するからです。
台詞回しの巧さや持ってくるネタの面白さなんていうのは、その「いま、ここ」で生まれたものをより際立たせるためのスパイスでしかありません(もちろん、それらも重要なのではありますが)。

「あるあるネタ」にばかり頼ってしまうと、その俳優において最も大事な土台部分を強化することができず、結果、芝居というよりも大喜利的な個人プレーしかできない独り善がりな俳優になってしまいます。

若くして俳優を志す方々、どうかそんな独り善がりな俳優ではなく、人と関わり高め合える俳優となって欲しいなと強く願っております。
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by syohousen | 2016-07-20 22:07 | 俳優訓練について | Comments(0)
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