9/26(水)9:00~12:00 ARC>T 文化庁芸術家派遣事業 「小さな演劇を作ろう」
■ファシリテーター:白鳥英一 今年度のARC>Tによる文化庁芸術家派遣事業がスタートしました。 自分としては、昨年は参加していなかったためにこれが初めての参加。 おまけに補助者とはいえ小学生を相手にしたWS自体が自分にとっては初の経験であり、何もかもが初物尽くしの3時間でした。 特に今回のこの白鳥さんがファシリテーターになっての『小さな演劇を作ろう』というプログラムがまた非常に厄介なプログラムで、こんなにもチャレンジ要素だらけのWSに関われることは本当に有り難いことだなと、そう心から思える素敵な内容のWSであったと思います。 では具体的にはどのような内容であったかというと、最初に「さるかにがっせん」を白鳥さんが参加者へ読み聞かせ、その聞いた内容を元にして(以降、絵本は使用しない)、5チームに分かれ、子供達が中心になって方針を決め、稽古をし、最終的には発表をする、というもの。 自分にとっては、この「子供達が中心になって」という点がやはりウィークポイントなのだなということを痛いほど痛感しました、、、 どうしても、子供対横山、という構図になってしまう。 子供同士で意見を闘わせ、その中から生まれてくるものを子供達なりの方法で選び出す、という形にならずに、子供達が各々で考え浮かんだ意見はこちらに提示されてしまうため、それの中からどれがいいのかを選ぶのは最終的にはこちらで行うことになってしまう、というような状態で最後までいってしまいました。 要するに、決定権がどうしても横山の手元から放れるようなことがなかった、という訳です。 これは正直言ってめちゃくちゃ悔しい結果であったと思ってます。 結果的には発表に漕ぎ着けることができたからといってそれが何になるのか。 外側の形を綺麗に整えることで保とうとしていたのは、もしかしたら自らのプライドだったんじゃないのか? だとしたら情けない話ですね。 だってそこには肝心の子供達がいないのだから。 もちろんそんな気持ちばかりではなかったのだとは思うが、しかし、少なからずそういった自らの表現者としての一面が、顔を覗かせてしまったのかもしれない。 やるからには必ず完成させなければならない、という表現者としての意地のようなものが、自らの指導者としての選択肢を狭めてしまった、とも言える訳なので。 もう一度、自らの表現者としての一面、そして指導者としての一面を、それぞれ見つめ直してみる必要があるのかもしれません。 但し、この両者は相反するものでもないとも思っていて、例えば、表現者として考えてみても、子供達の思うようにやらせてみた方がこちらの意図の遥か上をいくような表現が生まれる可能性があった訳で、だから、「表現者の一面」という物言いも、もしかしたら言い訳でしかないのかもしれないです。 たぶん、自分は表現者としても指導者としてもまだまだ未熟なんでしょうね。 うん、だからこそ、今回のこの経験は、決して無駄にしてはならないのだと、思います。 しかし悪いことばかりでもありませんでした。 上で挙げたような弱点と同時に、自分にとって子供と向き合うにあたってこれ以上ない武器となり得るものも持っているのだということに気付かされました。 それは、「子供から対等に見てもらえる」という点です。 まあ、これは「舐められる」ということとも紙一重の、扱いを一歩間違えれば非常に危うい性質でもあるのだと思うのですが、しかし、この性質は、うまく乗りこなせればこれ以上ない武器にもなり得るものだと思っております。 今の時点では、どう乗りこなせばこの性質を子供と向き合う際に活かせるのかわかりません。 がしかし、きっと活かせる方法はあるはずだと信じてます。 たぶんなのですが、こちらのスタンスの取り方を少しだけ変えてみるだけで、だいぶ違ってくるのだろうなとは思っていて、その変え方に関しても、なんとなくだけれども、身体が予測できているので、次回以降で早速試してみようかと。 いずれにせよ、このタイミングで、このプログラムに参加することができたのは、自分にとっては大きかったと思います。 10月15日には自分が主指導者としてプログラムを行う予定なので、そこへ繋がる大きな収穫は沢山あった訳ですから。 今、自分はとてもいい時間を過ごすことができているなと、そんな恵まれた環境に身を置けているのだなと、そんなことをつくづく実感しています。 それだけに、僅かたりとも無駄にせず、学べるものは余すことなく貪欲に掻き喰らってゆこうかと。 白鳥さんをはじめとして、今回関わった皆様方、そしてA小学校の生徒の皆さん&先生方、本当にありがとうございました!
by syohousen
| 2012-10-04 23:57
| レポート(スタッフ参加企画)
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