足し算が、単純な足し算にならないことって
この世の中には沢山あるんだけどなぁ、、、
足すことで引かれてしまうこともあって、
特に目に見えない、形にならないものってのは
単純に足し算引き算で考えられなかったりする。
一度引かれたものが二度と戻らないこともある。
だからこそ、変わらないものっていうのは大事なんだと思うんですよ。
特に、実演家の人ならわかると思うけれども、
「変わらないものを表し続けること」が実は実演家にとって一番難しいです。
何故なら、身体も変わるし、環境も変わるから。
そして何より、時代が変わることで価値観が大きく変わってゆくから。
そんな中で同じことを再現しようとなると、
実演家自身が変わり続けるしかないんです。
変わり続けているから、変わらないように見えるんだってことを、
もっとよくわかってほしいなって思います。
変わらないことは、決して怠慢の結果ではないです。
むしろたゆまぬ努力の結果、変わらずにいることができる訳で、
だからこそ、伝統芸能というものは残してゆく価値のあるものなのだと思うのです。
思いつきで無くしてしまっていいものでは決してないし、
今の自分達の価値観だけで決めてしまっていいものでもない。
変わることは大切ですが、同時に、変わらないものの大切さにも、
もう少し目を向けてほしいし、気付いてほしいなと、心より思います。