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否定、ではなく、更新

演劇がどうもダサかったり時代遅れっぽく見られがちなのって、
もしかするとうちらが先人達の築き上げてきたものの上に
安易な気持ちで乗っかって安住してしまっているからなのかもしれない。

先人達の作ってきたテンプレートに従って、
ベルトコンベアー式にその作業をこなして公演を行う、、、
そんなことをあまりにも不用意に続け過ぎてきた結果なんじゃないか。

たぶん、その皺寄せがここにきてどっと押し寄せてきているのかもしれない。


ただ、同時に、そういう状況になってしまったからこそ、
若い人達の中では演劇そのものを変な前提に縛られずに見つめ
そして更新させてゆこうとする動きというか流れができつつあるのも事実。

やはり、先人へのリスペクトを抱いているのならばこそ、
安易に先人達の築き上げてきたものに乗っかるなんてことはせず、
フラットな目線で向き合い、勝負してゆけるのだと思う。


しかしその勝負というのは、「否定」ではなく「更新」でなければならないと思う。

もちろん疑問を持つことは大切だ。

しかし、それが否定になってしまうと、
それは否定元がなければ成立し得ない発想になってしまうため非常に脆く、
そして、それまでの歴史が断絶されてしまうことになる。

だが更新、となると、それは昨日の記事にも繋がる話だけれども、
「足し算」の発想なので、これまでと地続きのまま次のステージに上ることになる。


これらは似ているようで大きな違いだ。

そもそも文化というものは過去の記事でも書いたけれども、
先人達からのバトンを受け取って、それを次代へと渡してゆく、という
長いリレーの末に成立するものであり、一朝一夕には成り立たないものである。

だからこそ、自分達は先人達から引き継がれてきたものをしっかりと受け取り、
それを更新し、次代へと繋いでゆくという役目を背負っているのだと思う。


心して、かかってゆかねばなと。
by syohousen | 2012-04-19 12:48 | つれづれと
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