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真っ当過ぎる正論ほど残酷なものはない

本日より、第84回選抜高校野球大会が開催しました。

冒頭に行われた石巻工業高校の阿部主将による選手宣誓、
本当に堂々たる宣誓で、本当に格好良かったし、勇気付けられました。


ただ、そんな気持ちもあるジャーナリストの方の
とあるツイートを目にして一気に冷めてしまいました。


や、まあ、正論だけどさ。

でもその言い方はないわ、という感じです、はっきり言って。


たしかに言葉だけ取ると、
大人の思惑が見え隠れしていて素直には受け取りにくい
宣誓の言葉ではあったのかもしれないですよ。

けど、でも、だったらその指摘を向ける対象は選手ではないでしょうに。


「大人の都合に振り回され利用されている高校球児」という構図を作るのは
別に勝手にやってりゃいいと思うんだけどさ、
それと選手の心情をごっちゃにして語るのはほんとやめて欲しいです。

一方的な見方で「重荷を背負わされて可哀想」とか考えるのは
高校生を馬鹿にし過ぎなんじゃないのかって思ってしまう。


もちろん、高野連の体質など今の高校球界の問題点は沢山あるし、
周囲の持ち上げ方が感動の押し付けみたいな感じになってて
なんだかなぁって思うことは多々あるけど、
それを根拠に選手の心情を理解した気になって
偉そうに語る大人に対してはもっとなんだかなぁって思う。


野球があったから、
それを支えにここまでやってこれた選手だっているだろうし、
だからこそ「野球で恩返しをしたい」と考えている選手だっているだろうに、
「そんな余計なことは考えず、野球のことだけ考えていればいい」だなんて、
あまりに残酷すぎる一言なんじゃないのかって思うんですよ。

試合を通じて、観ている人に勇気を与えることが
震災で負った心の傷を乗り越えることに繋がる人だっているかもしれないのに、
そのような物知り顔の大人の不用意な発言によって
その想いを台無しにしてしまう可能性だって大いにあり得る話です。


だからこそ、こういうことについて語る際には繊細になって欲しかった。

なんというか、とても残念だなぁ、、って気分ですよ、今。



や、でも、石巻工には本当にがんばって欲しいです。

そんな周囲の雑音になんか負けないで、自分達の野球を精一杯見せて下さい。
by syohousen | 2012-03-21 16:44 | つれづれと
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