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5/10(火) 読み会レポ

5/10(火)19:00~21:30
【声と身体の処方箋・勉強会】『読み会』
@清沓仲通会議室・洋室1

◆使用テキスト:土路生真隆『motion picture soundtrack』

【ふりかえり】
震災の影響による利用施設の事情や自分の出演する公演の稽古によって約1ケ月半ほどお休みしていた読み会も今週より再開となった。

再開後一発目の使用テキストは、横山が21歳の時に出演し、今でも胸を張って「代表作」だと言い切れるくらいに素晴らしい作品だと思っている『motion picture soundtrack』(作・土路生真隆)。

この戯曲は、これも同じく土路生さんの書いた戯曲である『山椒魚』(原作:井伏鱒二)と並んで、横山の出演戯曲の中でも間違いなく最高の作品のひとつである。
なにしろ、今の自分はこの2作があったから存在している、と言っても過言ではないからだ。


という訳で今回、約8年ぶりに実際に声に出して読んでみたのだが、やはり未だに色褪せない魅力が満載の、傑作だなとつくづく実感した。
作中で織り重ねられてゆく言葉一つひとつの温かみもさることながら、どストレートとも言えるような芝居のスタイルでありながらも全く飽きのこない、次の展開が楽しみで仕方がなくさせられるワクワクするような劇構造の見事さに、7年の時を越えて改めて唸らされてしまった。

当時の公演を観られず今回のこの読み会で初めてこの作品に触れたメンバーからも、「戯曲を読んだだけなのに良質の芝居を1本観終えたような満ち足りた気分になった」というような意見が出ていた。


自分も今回、この戯曲に触れてみることで初心に戻れたような気がする。
当時に比べればだいぶ芝居観のようなものは変わってしまったはずなのだけれども、それとはまた別の深いところで忘れてしまっていた芝居と向き合う際の大切なものを思い出させてもらえたように思う。

なんというか、もしかするとこういう点においてもこの読み会という場は価値があるんじゃないのか。

かつて出演したことのある公演戯曲を、年月を経た上で改めて触れてみる。
それによって蘇ってくるものや、そこから生まれてくるものって、実は俳優を長く続けてゆく上でとても大切な“何か”が詰まっているんじゃないかなって。
by syohousen | 2011-05-11 21:37 | レポート(勉強会)
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