11/29(日)13:00~ 『ドラマリーディング実験場(森田組)』 @岩戸地域センター
最終日の昼に演出を担当して下さったのが、森田徹さん。 彼は、『山猫と紅葉』という団体の主宰をしており、主に演出として演劇へと関わっている方である。 自分も過去に2度、山猫の舞台には客演したことがあったのだが、ここ最近はほぼ関わっていなかったため、久々に森田さん演出での稽古であった。 受けていて感じたのは、だいぶ俳優との向き合い方に自信がついてきたのかなということ。 ゆったり構えて演出を行えているように見えたので、安定感があるなと感じたのだ。 元々、俳優の特徴を見極める目には秀でている方だなとは思っていたので、この自信は今後演出を行ってゆく上で強みに繋がってくるのではないかと思う。 さて、テキスト稽古に入る前に行ったエクササイズ等は以下の通り。 ■二人一組となり、相手のことをひたすら褒めてみる。 ■真っ暗な中で自分の子供時代のことを他の参加者へ話す。聞いている側も、何か疑問に思うところがあればどんどん質問してみる。 ■ランダムに選ばれた写真を元にして、見た目の印象だけでその写真のエピソードを捏造してゆく。今回は最初に3枚普通の写真を使用し、ラストは写真の裏面(真っ白)を見ながら妄想だけで各人の脳内にある写真について語り合ってみる。 どれも面白かったが、個人的には「暗闇の中での思い出話」が非常に興味深かった。 というのも、暗闇の中で話をする際、相手からのレスポンスは気配でなんとなく分かるのだが、にも関わらず、自分が人に話をしているという手応えを感じることができないのが非常に気持ち悪かったのだ。 例えるならば、痺れた腕で人を殴った時のような違和感、、、と言ったら分かりやすいだろうか。 確実に自分の腕で相手を殴り、相手もその行為に対してレスポンスを返しているにも関わらず、自分の腕だけはその実感がない、、、そんな感じである。 その結果から色々考えてみたのだが、もしかすると「話す」という行為は、「相手からのレスポンス」と「自分が人と話しているという実感」の両者が確認できて初めて手応えを感じることができるのではないか、、、 どうやら今後検証をしてゆく価値ある発見ができたようである。 今、こうして一覧にしてみて気付いたのだが、森田さんの行ったメニューは個々の俳優で何かしらの発見や感覚の自覚を促すようなメニューが多く、テキストを選ばない内容のものであった気がする。 や、それ自体は全然悪いことではないとは思う。 ただ、それが今回の持ち時間が1コマという単発の稽古であったために敢えてテキストを度外視したところでのメニューを組んだのか、それともあまり自覚のないままそういう傾向となってしまっていたのか、、、 もしかすると、森田さんが今後も演出を続けて上でそこは結構大事なことなのかもしれないなとふと思った。 何故なら、演出として個々の俳優がどうテキストと向き合って欲しいのかを俳優一人ひとりの中で明確にしてあげないと、アップが単なるWSで終わってしまい、肝心のテキスト稽古の際には結局俳優頼みの創作となってしまうため、何のためにアップを行っているのか分からなくなってしまう危険性が非常に高いからである。 俳優の特徴を見極める力がある森田さんなだけに、もし無自覚のうちにそういった傾向に陥ってしまっているのだとしたら、とても勿体無い気がする。 、、、ただ、企画の都合で1コマ分しか森田さんの時間を取れなかったことも絶対に少なからず影響しているのは確実だったとは思うし、そこの部分では本当に申し訳なかったなと、、、 今度このシリーズの企画を立てる際にはじっくりと取り組めるような内容としてゆくつもりなので、その時に是非そこら辺についてもお互い突っ込んでゆけたらなと思う。
by syohousen
| 2009-12-03 17:43
| レポート(勉強会)
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