正直な話、今の公演を行っていて、
観客からの評価ばかりが先行していっているような、
不思議な感覚がある。
や、観て頂いた方々に高く評価されることは、
たしかに嬉しいことではあるし、
とても大切なことであるのは事実なのも分かる。
しかし、己の中での達成度と照らし合わせてみた時に、
ここまで周囲の評価との間に大きなズレがあると、
これまでの稽古の中で大切にしてきたことに対し一抹の不安というか、
自信に揺らぎが生じてきてしまいそうなのが怖いのだ。
これまでの観客の反応も紛れもない事実であるし、
その一方で、舞台上において俳優が唯一信じられるものが
これまでの稽古で積み重ねてきたものと目の前の存在であることも事実だ。
だからこそ、安易に観客の反応に迎合してしまうことも危険であるし、
かといって観客関係なしに自分達の中で作品が完結してしまっても
それはそれで問題である。
きっと、この答えは“今、ここ”にしか存在しないのかもしれない。
やはり、芝居は難しい。